こだわりをカタチに

琴芝駅note

ペパクラにまつわるいろいろな考察

近年、駅舎が様変わりしたことをご存じのかたが多いと思う。

現在はとても小さな駅舎であるが、ネットフェンスや基礎の名残で以前の駅舎の大きさが想像でき、プラットホームやそのホーム上屋の長さでかつての旅客の多さをうかがい知れる。

書籍*E4によれば、「同年3月26日、電化と同時に設置された琴芝停留所(現琴芝駅)は、1日の乗降客が300名を越し、手狭でいけないという苦情が出たため拡張工事にかかり、5月30日落成したが、これに要した費用1800円はすべて地元利用者の寄付によるものであつた。」とあり、まさに地に根ざした駅舎であったことがわかる。

旧駅舎の昭和9年の写真*J2には、看板が並び車が駐車してあることからおそらくは手前側が出入り口となる構造の駅舎が見て取れ、それは近年まであった駅舎の開口部とも合致するのだが、構造が他の駅舎に比べて少々異なる。

出入り口の向きで言えば同じようなレイアウトの岩鼻駅の構造がとても近い。

だが、特徴的なのが待合室スペースであったロータリーに面する切妻のガラスが多用された部分だろう。*J3

書籍*A4によれば「戦災を免れた駅当舎等の設備拡張までには手が回りかねたのが実情である。そこで駅付近の町内有志、商店街等が中心となって琴芝駅拡張期成同盟が結成され、昭和二十四年五月、駅舎を拡張し現在の駅舎が完成した」とあり、増改築によりあのような形に落ち着いたと思われる。

現在の駅舎にあっても多くの学生が利用しており、そのいずれの時代にせよ、愛されて育まれた駅であったことに疑いの余地はない。

設計ポイント

本企画がスタートしたときにはすでに駅舎は更新され、旧駅舎のデータが無いのは残念でした。

旧駅舎と現駅舎が模型で同時に再現されると面白かったかもしれません。

それはともかくこの本駅、かつての遺構と付随して張り巡らされたメッシュフェンスが特徴的な当駅の雰囲気を表現するには、他の駅舎に引けを取らないこのサイズが必要でした。

組立自体、あまり難しいところはないと思いますが、唯一にして最大の難所がフェンス表現のフィルム貼付かと思います。

繊細な作業を難度も繰り返すのでなかなかに骨が折れますが、完成させれば他にはない独特の表情が魅力でもあります。

引用文献

参考書籍・映像・インターネットサイト各種を下記列挙
注記:資料名最後の括弧内文字を付しているものについては、宇部市立図書館での閲覧が可能であり、その請求記号となります。(2022年9月執筆時点)

*A1 「駅長さんの書いた駅名ものがたり」 発行年:昭和五十二年 P.331 [Y0686 エ]

*A2 P.339

*A3 P.339

*A4 P.334

*A5 P.325

*B 「保存版 ふるさと宇部」 発行年:2011年 P.170 [U210 フ]

*C1 「宇部地方研究 第三一・三十二号 写真で見る大正期の宇部」 発行年:平成16年 P.55 [U210 ウ]

*C2 P.17

*D インターネットサイト「今昔(こんじゃく)マップ on the web」 (C)谷 謙二

*E1 「宇部線物語」 発行年:昭和50年辺り(明確な記載なし) P.40 [U686 ウ]

*E2 P.41

*E3 P.3

*E4 P.16

*F 「宇部鉄道 沿線名所案内」 発行年:昭和十二年 [U686 ウ]

*G 「駅舎国鉄時代1980’s」 発行年:2022年 P.56 [U686 ハ]

*H1 「ふるさとの想い出 写真集 明治大正昭和宇部」 発行年:昭和54年 P.30 [U210 シ]

*H2 14に同じ P.51

*I 「目でみる宇部の歴史」 発行年:昭和36年 P.51 [U210 メ]

*J1 「写真アルバム 宇部・山陽小野田の昭和」 発行年:2018年 P.103 [U210 ウ]

*J2 P.12

*J3 P.203

*K NHK「課外授業ようこそ先輩 出会いをアニメで記録しよう」銀天街屋根上での部分

*L 「ふるさと歴史散歩 宇部」 発行年:平成6年 P.61 [U210 ク]

*M 「目でみる神原の歴史」 発行年:昭和五十六年 P.13 [U210 メ]

*N 「宇部戦前史 一九三一年以後」 発行年:昭和五十年  P.111 [U210 ヤ]

*O 「宇部市史 通史篇」 発行年:平成五年 P.453 [U210 ウ2]

*P 「宇部市史 通史篇」 発行年:昭和四十一年 P.712 [U210 ウ]

*Q 「写真記録 日本の駅」 発行年:2009年 P.399 [Y0686 ニ]

*R 「宇部大空襲 戦災50年目の真実」 発行年1995年 最初項 [U210 ウ]